ムーミン物語の中でも、主人公ムーミントロールの親友として描かれているスナフキン。
登場人物の中で唯一のイケメンキャラクターとして、そのポジションを確立しています。
自分の周りにスナフキンみたいにかっこいいステキな男性がいると、楽しい毎日が送れそうですよね!
そんな「イケメン」スナフキンですが、実は謎の多い人物なんです。しかも人間のように見えて、人間ではありません!
今回は、謎多き魅惑の男性(?)スナフキンをご紹介します。
スナフキンのモデルは?
実はスナフキンにはモデルがいるんです。
ムーミン童話の生みの親、トーベ・ヤンソンさんの昔の恋人がモデルと言われています。モデルとなった元恋人は、政治家で詩人で哲学者だったそうです。
こんなにかっこいいスナフキンのモデルということは、きっとステキな男性だったのでしょう!
その他にも、学者のおじさんたちや弟のラルスとも似ているところがあるようです。
どちらにしても、トーベ・ヤンソンさんの周りにはステキな男性が多かったようですね(*´▽`*)
ヤンソンさん自身、スナフキンはムーミンシリーズの登場人物の中でも好きなキャラクターの一人だそうですよ。
スナフキンの名前の由来
スナフキンをスウェーデン語、ノルウェー語、英語にすると次のようになります。
◎スウェーデン語:Snusmumriken(スヌスムムリク)
◎ノルウェー語:Nuuskamuikkunen(ヌースカムイックネン)
◎英語:Snufkin(スナフキン)
スナフキンの名前は、スウェーデン語の「スヌス(嗅ぎたばこ)」と、友人に親しみを込めて言う「ムムリク(あいつ、野郎)」という言葉が合わさって、
「スヌスムムリク(嗅ぎたばこ野郎)」という意味になります。
日本語訳にするとき、スウェーデン語の「スヌスムムリク」は言いにくいため、英語訳の「Snufkin(スナフキン)」を採用して、「スナフキン」となりました。
でも実はスナフキン、名前が「嗅ぎたばこ」なのに、「嗅ぎたばこ」使ってないんですよね(;^ω^)
代わりに、パイプたばこ(刻みたばこ)を吸っています。
コミックスでも小説でも、スナフキンが嗅ぎたばこを嗅いでいる場面はないので、ぜひ確認してみてくださいね!
スナフキンは人間ではない?
ムーミンキャラクターの中でも、見た目が一番人間っぽいのがスナフキンですが、実は人間ではありません。
「ムムリク」という種族の妖精なんです!人に似せて書かれてはいますが、実はしっぽがついた挿絵もあります。
スナフキンの父親はムーミンパパの昔の友人「ヨクサル」で、彼もまた「ムムリク」族です。
ちなみにスナフキンの母親の「ミムラ夫人」はミムラ族。
ムーミンの世界は、いろんな種族が集まって一つの世界が作られているんですね。
スナフキンの性格
スナフキンは自由と孤独を愛する、音楽好きのボヘミアン(旅人・放浪者)です。何よりも自由を大切にし、1人でいることが大好きです。
物を所有することが嫌いで、必要なものはすべてリュックサックの中に入っています。
物が増えることが恐ろしいとさえ考えていて、代わりにキレイだと思ったものは「見ている間は自分のもの」「持って帰るのではなく、頭の中にしまう」ことにしています。
また、長年使っていたテントやフライパンなども、必要がなくなると躊躇なく捨ててしまいます。
服は新しいものではなく、古くて形の崩れた、体になじむものが好きです。また雷や雨が大好きで、雷が鳴ると大喜びで地面を踏み鳴らしたりします。
スナフキンはムーミン達と違って、基本的に冬眠はしません(一度だけ小説「楽しいムーミン一家」で、ムーミン達と一緒に冬眠する場面があります)。
ムーミン達が冬眠する時期になると、ムーミン谷から南へ旅立ち、春になるとまたムーミン谷に戻ってきます。
ムーミン谷で暮らしている時も、スナフキンはムーミン達と一緒には暮らすのではなく、川沿いにテントを張って一人で住んでいます。
スナフキンの生活はいたってシンプル。最低限の物しか持たず、好きな時に起きて好きな時に寝る。好きな時に旅に出て、1人で気楽に過ごすのが大好き。人が嫌いなわけではありませんが、本当に心を許しているのは、ムーミンなどの一部の人だけ。
一見クールなスナフキンですが、悩んでいる人や自由に生きられない人を見ると、手を差し伸べずにはいられないところも。
観察力が鋭く、冷静な判断ができるスナフキンは、ムーミン谷の人たちの憧れの存在でもあり、頼りになる存在なのです。
ただ、そんなスナフキンでも我慢できないことがあるんです!それは立て札や看板。
看板や立て札は自由を奪い、独り占めする行為なので(例えば、「芝生に入るべからず」など)我慢ができないようです。
「ムーミン谷の夏まつり」では、ヘムレンさんが作った地名の立札にキレる場面もあるんですよ(笑)
またスナフキンは基本的に知的でクールですが、原作小説、コミックス、アニメなど作品によって少し性格が違っています。
スナフキンとミイは兄弟!
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なんと、スナフキンはリトルミイ(ミー)と兄弟なんです!
しかも、ミイの弟!
お兄さんではないんですよ~(笑)
上記でも少し触れましたが、スナフキンのパパはムーミンパパの昔の友人「ヨクサル」です。そして母親はミイの母親でもある「ミムラ夫人」。
このミムラ夫人、実はとんでもない子だくさんで、なんと35人もの子どもが!ミイ(ミー)はミムラ夫人の20番目の子どもです。ちなみに、ミムラねえさんはミムラ夫人の最初の子どもです。
また35人の子どもたちの父親は、複数存在するとのうわさもあります。ミムラ夫人、なかなか魅力的な女性なんでしょうね。
ミイの父親は物語には出てきませんが、スナフキンの父親「ヨクサル」でないことは間違いありません。
スナフキンは、ミイが生まれた後、ミムラ夫人とヨクサルとの間に生まれているので、ミイとスナフキンは異父姉弟となります。
ちなみに何歳か?ということですが、ムーミン小説やムーミンコミックスでは、リトルミイやスナフキンの年齢については書かれていません。
人間で言うと10歳~18歳あたり?のような気もしますが、スナフキンは煙草を吸っているし、子供とは思えない発言も多いし・・・。
どちらにしてもムーミンキャラクターは基本的に妖精なので、年齢という概念がないのかもしれませんね!
ハッキリわかっているのは、
「リトルミイがお姉さんで、スナフキンが弟」ということ!これだけでもびっくりですけどね(笑)
ただアニメではその辺りのことには触れておらず、劇場版「ムーミン谷の彗星」で二人は初めて対面する設定になっています。
またアニメ「楽しいムーミン一家」の中では、ミイ(ミー)がスナフキンをデートに誘うという、およそ兄弟とは思えない設定もあるんですよ!
ちなみにこの時のスナフキンは、驚きのあまり橋から川に落ち、それ以来ミイを避けるようになっています(笑)
ミイについてはミイの秘密って?グサッとくるオススメ名言集もご紹介!を読んでみてくださいね。
スナフキンはムーミンの親友
スナフキンはムーミントロールの大親友です。
初めて二人が出会ったのは「ムーミン谷の彗星」です。ムーミンとスニフがおさびし山の天文台に向かう途中、キャンプをしていたスナフキンに出会い、天文台までの案内役として一緒に行くことになります。
そしてその後、スナフキンはムーミン谷で暮らすようになります。
孤独を愛するスナフキンですが、ムーミンと一緒にいるときは楽しいらしく、ムーミン一家とも良好な関係です。
ムーミンはスナフキンの事が大好きで、冬が来る前に南へ旅立ってしまうスナフキンとの別れを毎回悲しみますが、引き止めたりはしません。
またスナフキンにとってもムーミンは特別な存在で、自分を理解してくれるのはムーミンだけだと思っています。
2人は冬の間離れ離れですが、ムーミンはスナフキンを、スナフキンはムーミンを思いながら冬を越します。そして春になるとスナフキンはムーミン谷に戻ってきて、ハーモニカを吹き、その音色でムーミンは冬眠から目覚めるんです。
まったく性格の違う二人ですが、こんなにお互いを思い合う友達ってステキですね!
アニメと原作との違い
スナフキンは、アニメと原作で違う点が多くあります。
例えば、楽器。
スナフキンは原作では「ハーモニカ」ですが、初期のアニメ「ムーミン」ではハーモニカではなく「ギター」を演奏しています。
これは原作者トーベ・ヤンソンさんから批判を受けています。
その他にも、アニメ「ムーミン」ではギターを弾きながら「歌」も歌いますが、原作・コミックス・アニメ「楽しいムーミン一家」では、ハーモニカは吹きますが「歌」は歌いません。
またトレードマークであるパイプたばこも、アニメ「楽しいムーミン一家」の中では吸っていません。
スナフキンの声優
スナフキンの声優は、時代により3人の声優が担当しています。
スナフキンのアニメが日本で初めて放映されたのが1969年。それから50年ですから、声優さんも変わりますよね!
時系列で声優さんを見て行きましょう。
西本裕行さん (1969年・1972年版「ムーミン」担当)
<西本 裕行(にしもと ひろゆき 1927年1月3日生まれ/2015年4月19日没)>
西本さんは日本の俳優・声優です。
東京獣医畜産大学(現在は日本大学と統合)を卒業した後、文学座、劇団雲、劇団昴など舞台を中心に活躍しました。
声優の仕事はムーミンのスナフキンの他、ディズニー映画でもたくさんの吹き替えしています。
ムーミンシリーズでは、1969年、1972年にフジテレビ系列で放送された、「カルピス漫画劇場」枠のアニメ「ムーミン」でスナフキンを担当。
ちなみに・・・。アニメ「ムーミン」は、キャラクターの絵も話の設定も原作とはかなり違っていたため、原作者トーベ・ヤンソンさんからかなりクレームを受け、「アニメ『ムーミン』は認めない」とされ、現在では再放送もできなくなっています。
当時のアニメの録画を持っている人が、YouTubeなどにアップしていることがあるので、興味のある方は探してみてくださいね。
西本さんは残念ながら、2015年4月19日に急性大動脈解離によりお亡くなりになっています。
子安武人 (テレビアニメ「楽しいムーミン一家」担当)
<子安武人(こやす たけひと)1967年5月5日生まれ>
子安さんは日本の声優・ナレーターです。
1990年放送の「楽しいムーミン一家」でスナフキンの声優を担当しています。
初めに無理をして声を作りすぎ収録のたびに苦労したため、その後自分の地声に近くなるよう、徐々に軌道修正をしていったそうです。
その他にも、頭文字Dやガンダムシリーズにも多数出演しています。
個人的には、子安さんのスナフキンが一番好きです。
白熊寛嗣 (劇場版ムーミン パペット・アニメーション〜ムーミン谷の夏まつり)
<白熊 寛嗣(しろくま ひろし 1979年8月4日生まれ)>
日本の声優です。低い声が特徴で、年齢よりも年上の中年男性や父親役が多いようです。
アニメの声優の他、映画の吹き替え、海外ドラマの吹き替えなどをしています。
「劇場版ムーミン パペット・アニメーション〜ムーミン谷の夏まつり」は、1979年に発表された人形劇(パペットアニメーション)を再編成されたものです。
その中で白熊さんはスナフキンの声を担当しています。
スナフキンの都市伝説とは?
ムーミンが誕生してから早70年以上。人気アニメや漫画には都市伝説がつきものですが、ムーミンも都市伝説があります。しかもムーミンの都市伝説は、なかなか恐ろしい内容になっています。
スナフキンは核戦争の被害者?!
スナフキンは元軍人で、核戦争の唯一の生き残りなんです。冬の間旅に出るのは、見つかるはずもない死んだ仲間の亡骸を探し、墓参りをするのを目的としています。
スナフキンの哲学的で、どこか世捨て人のような悟りきった雰囲気は、ここからきているのです。
また彼の発する言葉は、死者の供養という役割を担っています。
スナフキンは未来人?!
スナフキンは見た目人間にそっくりですが、指が4本あったり、しっぽがある姿が描かれていたり。
人間に似ていますが、現在の人間とは違う、未来人の姿なのかも。実はこれは、核戦争での放射線の影響の可能性が!
スナフキンは人造人間?!
こちらも同じく、手が4本あったり、しっぽがあったりと、人間のようで人間でないスナフキン。
実はムーミンパパやムーミンが、かつて世界に存在した「人間」を再現するために作った、人造人間なのです!
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さいごに
いかがでしたか?
ムーミンキャラクターの中でも、ムーミン以上に人気のあるスナフキン。
スナフキンが人間ではなかったり、ミイの弟だったり、意外なことがたくさん!
これからは、スナフキンを見る目がちょっと変わるかもしれませんね。
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