ムーミンシリーズ本9冊の中の一つ、「ムーミンパパの思い出」。
この本の内容は、ムーミンパパが生まれてからムーミンママと出会うまでの、いわゆるパパの独身時代の話が描かれています。
実は、たくさんのムーミンキャラクターがいる中で、題名にキャラクターの名前が入っているのはムーミンパパだけなんです!
・ムーミンパパの思い出(←今回の本)
・ムーミンパパ海へ行く
ムーミンパパの名前が入った本が2冊も!ムーミンパパって、実はムーミンの陰の主役だった?!(笑)
早速、ムーミンパパの思い出のあらすじをご紹介します!
ムーミンパパの思い出 ムーミンパパの半生が描かれた本
ざっくりいうと、本の題名のとおり若い頃の「ムーミンパパの思い出」を中心に、パパの武勇伝が語られる話です。
家族を持ち一家の大黒柱になったムーミンパパが、若い頃に体験したことを記録として「思い出の記」に書き残すことにし、それを子ども達(ムーミン・スナフキン・スニフ)に語るという構成になっています。
でも、登場するのはムーミンパパだけではありません。
スナフキンやスニフの両親の話など、普段ではあまり出てこないキャラクターの知られざる姿が垣間見れるのも、この本の魅力です。
「ムーミンパパの思い出」は、いわゆるスピンオフ的な立ち位置ですね!
それゆえに、他の物語に比べて貴重な内容の一冊になっています。
「ムーミンパパの思い出」のあらすじ(ネタバレ注意)
ムーミントロールがまだうんと小さかったころ、ムーミンパパは風邪をひいてしまいます。でも、今まで病気という病気をしたことがなかったパパは、自分が死ぬんじゃないかと心配に。
そこで、ムーミンママに勧められたこともあり、子ども達の為に自分の冒険談・思い出を書き残すことを思い立ちます。
ムーミンパパの思い出 ムーミンパパは捨て子だった!
冒頭から、衝撃の事実が発覚!
何とムーミンパパは捨て子だったのです(@ ̄□ ̄@;)!!
衝撃です!あんなに家族思いのパパが、捨て子だったなんて・・・。
ムーミンみなしごホームの階段の上に置かれた、ごくありふれた買い物用の紙袋に入れられて捨てられていたパパ。
みなしごホームの経営者ヘムレンさんに育てられるも、厳格すぎるヘムレンさんと相性が悪かったムーミンパパは、ある日自由を求めホームを飛び出します。
そして小川で実験をしていた、ムーミンパパの初めての友達になるフレドリクソンに出会います。
ムーミンパパの思い出 スニフの父「ロッドユール」・スナフキンの父「ヨクサル」の登場
さらにムーミンパパは、フレドリクソンから「ガラクタ集め」をする自分の甥っ子・ロッドユールを紹介され、一緒に船で冒険の旅に出かけることになります。
そう、このロッドユールが「スニフ」の父親です。
フレドリクソンが作った船「海のオーケストラ号」に乗って、ムーミンパパ達は冒険の旅へ。このとき、スナフキンの父親「ヨクサル」とも出会い、一緒に冒険の旅をします。
ムーミンパパの思い出 素晴らしい冒険の旅
フレドリクソンが設計した船「海のオーケストラ号」での冒険の旅は、ムーミンパパにとってとてつもなく素晴らしい旅になります。
航海の途中で立ち寄ったある島で、
・その島の王さまとの出会いや
・ミムラやミムラの娘との出会い、
・そしてフレドリクソンの空飛ぶ船の完成、
・恐ろしいうみいぬとの遭遇、
・ロッドユールとソースユールの結婚
などなど、ありとあらゆる出来事がこの冒険で起こります。
そして最後は、ムーミンママとのドラマティックな出会いが!
とにかく、息つく暇もなくいろんなことがおこるので、読んでいるほうもワクワクしながら読み進めることができます。
詳しく書くと楽しみがなくなるので、このくらいにしておきますが(笑)
ムーミンパパの思い出 その他キャラクターの面白いエピソードがたくさん!
ムーミンパパの武勇伝の他にも面白い話がたくさん!
例えば、
・え~!これがこうなってスナフキンが生まれるの~?
・ムーミンママ、命の危険があるときまでバッグの心配って・・・。
・リトルミイってスナフキンのお姉さんなんだ!
・竜のエドワードって、ちょっと頭足りない・・・?
など、エピソードには事欠きません。
他にも、何でもかじっちゃう海の怪物「ニブリング」の事や、二ブリングに連れ去られていったヘムレンおばさんのその後とか。あとは、なぜか編み物が好きなおばけが出てきたりして(笑)
「ムーミンパパの思い出」はムーミン谷に住む前の話なので、普段は出てこないキャラクターの話が満載で、これがまた面白いですよ!
ムーミンパパの思い出 読んだ感想
ムーミンパパの思い出を読んだ感想は、ムーミンパパって見かけによらず波乱万丈な人生なのね・・・ということでしょうか(笑)
ムーミンパパの冒険談ということなので、ストーリーは冒険と呼べる出来事がたくさんあります。
また、ムーミンパパの若かりし頃の体験ということは、パパの「青春記」でもあるので、素晴らしい仲間との出会い・友情・嫉妬・希望・夢・挫折・初恋・孤独・そして成長を描いた話でもあり、「少年ジャンプ」なみに、感動とワクワクが詰まっています。
ただ少年ジャンプと違う点は、「戦う」という場面がないことです。少年ジャンプだと、「敵またはライバルが存在し、その相手と戦って勝利する(その戦いの中で友情が芽生えたりする)」が定番ですが、ムーミンパパの思い出では「戦って勝利する」という場面は存在しません。
ムーミンパパは冒険をする中で、何度も恐ろしい生き物に出会ったりして怖い目にあっていますが、彼らは戦わず、逃げたり・知恵で切り抜けたりしています。
そこは原作者トーベ・ヤンソンの信念でしょうか。
また、ちょっと真面目なことを言うと、ムーミンパパが孤独・挫折を感じた場面で、パパはどうやってその局面を乗り越えたか。
これは私たちが何かに悩んだり、苦しくなった時に参考になると思います。
ま、人生いろいろあるよね~(*´з`)
「ムーミンパパの思い出」のあらすじは?スナフキン・スニフの両親はあのキャラクターだった!まとめ
「ムーミンパパの思い出」はムーミンパパの半生や冒険談の本ですが、ムーミンの世界らしく、ゆる~い感じの冒険なので、ホッコリなってとっても癒されます。
とくに、最後のエピローグがすごくステキ!このエピローグでは、感動の再会が用意されていて、さらにググッと物語を盛り上げてくれるんですよ♪
「ムーミンパパの思い出」は、ムーミンパパの自叙伝だけでなく、ムーミンパパとムーミンママとの出会い、スナフキンやスニフの両親の話など、ムーミンキャラクターの知られざる過去を知ることができる、貴重な1冊です。
ぜひ手に取って読んでみてくださいね!
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